コラム
「週刊粧業新聞」8月29日号に掲載2016.8.30(投稿日)
第28回「ますます細分化、目的別化粧品へ」

「週刊粧業新聞」 8月29日号に、代表取締役 鯉渕の『激変するコスメマーケット 第28回 ますます細分化、目的別化粧品へ』が掲載されました!

 

本文は、下記の通り。

 

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『激変するコスメマーケット』

28回 ますます細分化、目的別化粧品へ

 

最近、グループインタビューやイベントで会うお客様の話を聞いていると、

化粧品の選び方がこれまでとは少し変わってきているように感じる。

 

それは購入理由が著しく明確になってきていることだ。

例えば「目の横の濃いシミをなくしたい」「法令線を目立たなくしたい」など、

悩みの内容がお肌の部位まで明確になっており、

おまけに「半年後までに」「同窓会までに」と期限までしっかりと意識している。

 

若い頃の「ブライダルエステで痩せたい!」というような時期ならわからぬでもないが、

通販化粧品を買う中高年の女性たちが、

このように目標設定をしっかりしているのは、

美容意識がとても高くなったとしか言いようがない。

 

つまり日頃自分の肌がどういう状態かをよく観察しており、

その現実的な改善を目指してしっかり化粧品を選んでいるのだ。

 

以前はもっとあいまいな理由で化粧品が購入されていたように思う。

ブランドやパッケージ、広告のイメージなどでなんとなく選ぶ、

あるいは店員さんの勧めるままに買うこともあったと思う。

それが今日では、「あいまいに」「なんとなく」では購入しなくなった人が多いのではないか。

 

この購買動機の変化の理由として、

ひとつには化粧品メーカーの商品開発力のレベルがアップしたこと、

そのため消費者の化粧品に対する期待が高まっているということが考えられる。

美容医療ではないという前提は理解した上で、それなりの効果を求めてきていると思う。

 

もう1つは、現在の日本人女性は中高年になってもアクティブで経済的にも豊かなため、

きれいになることを諦めるという人が少なくなったのではないか。

 

インターネット上で自分から美容情報を探すこともでき、

誰でも有効成分分析やエビデンスなども調べられるようになった環境も手伝って、

化粧品選びがより目的に応じて細分化してきていると思う。

 

現在のお客様のニーズに応えるためには、

「シミ」「シワ」「たるみ」など、ピンポイントで問題を解決する商品を開発し、

狭義の課題解決専門家として認知される必要がありそうだ。

理想を言えば、ひとつのブランドでひとつの悩みに対応するような、

目的別の化粧品メーカーになることも考えなくてはならない。

 

そのためには、原料に有効成分を取り入れて特徴を出すだけでは他社との差別化ができない。

化粧品の使い方や生活習慣まで、肌のお手入れ指導すべてに徹底的に携わって

初めて「専門家」としての立場が確立できると思う。

そのブランドに関わる社員一人ひとりが豊富な美容知識を共有し、

ブランド全体としてお客様の「悩み解決」の専門家になることが求められる。

 

お客様の「悩み」に寄り添うことができれば、

コミュニケーションがより深くなり、

お客さまとの強い絆が生まれて、会社を支えてくれるのではないだろうか。

 

お客様のニーズは時代とともに刻々と変わっていくので、

これからは悩みに応じた目的買いのお客様の期待に応えるために、

「シミ対策化粧品」「ハリ対策化粧品」「法令線対策化粧品」など、

より細分化された目的別化粧品ブランドがもっと増えていくかもしれない。

 

 

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