コラム
社員コラム2017.3.30(投稿日)
最優先すべきは“わかりやすさ”

 

最近、立て続けに、自宅近くのスーパーとドラッグストアで

販売員がお客様から同じようなクレームを受けている場面に遭遇した。

商品は違えど、どちらも購入した商品が自分が望んでいたものとは違ったため

返品したいという主旨のようだった。

 

スーパーで見かけたクレームは、

『詰め替え用のシャンプーとコンディショナーが欲しかったのに、

詰め替え用のシャンプーを2つ買ってしまった』というもの。

ちょうどヘアケア売り場で商品を物色中に騒動がはじまったので、

目の前にある商品と見比べながらお客様の言い分を聞いていたのだが、

なるほど、保湿シリーズと補修シリーズではパッケージの色をがらりと変えているものの、

保湿シリーズのシャンプーかコンディショナーかは、

パッケージ上部に小さく書かれた「シャンプー」「コンディショナー」の文字でしか判別がつかない。

せめて「シャンプー」「コンディショナー」の文字が大きく目立っていれば

同色のパッケージでも良いのかもしれないが、

間違い探しレベルの差では購入時に見落としてしまうのも納得だ。

 

もうひとつ、ドラッグストアで遭遇した返品要請は、

『“ダークブラウン”の髪染めが欲しかったのに、買ったものは“ブラウン”だった』というもの。

こちらはレジに並んでいるときに聞こえてきたクレームだったが、

気になったのでレジ後に売り場へ行き、パッケージを見比べてみた。

すると、どちらも基本的に同色同デザインのパッケージで、

イメージ画像として印刷されているロングヘアの女性のわずかな髪色とカラー名ぐらいしか違いはないようだ。

2つを並べてじっくり見比べるか、

自分が欲しいのは“ダークブラウン”か“ブラウン”かをはっきり記憶していなければ、

10分悩んでも答えがわからないのではないかという難易度だ。

 

この2つのケース、どちらも売り場の販売員に直接的な非はなく、

商品パッケージのわかりにくさが原因である。

商品を選ぶとき最初に目にするのはパッケージなので、

おしゃれで格好よく見栄えがするデザインが選ばれるのは必然のこと。

特に女性関連商材ではその傾向が強くなるが、

それも“わかりやすさ”“親切さ”“使いやすさ”が前提にあってこそ。

奇しくも今回は2つのケースともにお客様はシニア世代の方だった。

となれば、より“わかりやすさ”が求められる商材であるはずだ。

デザインイメージを重視しつつも、大きな文字、コントラストの強い色使い、

目立つアイコンなどを取り入れることがそんなに難しいことだろうか。

そもそもメーカー側にその視点はあっただろうか。

どんなに機能的に優れた商品であっても、

選びにくい・間違えやすい・分かりにくい商品であっては意味がない。

お客様が目にするもの、手にするものすべてにおいて、お客様視点を忘れてはいけないというのは、

販促ツールであれ商品パッケージであれ変わらないのだということを改めて感じた。

(M・G)

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