コラム
「週刊粧業新聞」 9月4日号掲載2017.9.4(投稿日)
第34回 「化粧品メーカーのブランディングとは?」
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「週刊粧業新聞」 9月4日号に、代表取締役 鯉渕の『激変するコスメマーケット 第34回「化粧品メーカーのブランディングとは?」』が掲載されました!

 

本文は、下記の通り。 

 

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『激変するコスメマーケット』

34回 化粧品メーカーのブランディングとは?

 

最近立て続けに、幾つかのブランドで愛用者のグループインタビューを行った。

しかも5年、10年と長く愛用しているロイヤルユーザーばかり。

中には30年来の愛用者だとおっしゃるお客様まで出席してくれた。

じっくりお話を伺っていると、

長い期間愛用し続けてくれる理由に共通項があると気づかされる。

 

さすがに30年来の愛用者ともなると、

製品は何度かのリニューアルを経ているので、

「前のシリーズの方が好きだった」とか、

「なくなってしまったけど○○が良かった」などの話題も出てくる。

それでもお客様たちが使い続けてくれる根本的な理由は、

「このブランド、あるいは会社が好きだから」ということだ。

好きな理由はいろいろある。

「自然な感じが好き」とか、「他社にはない美容の考え方が好き」とか、

「女性社長の生き方に興味がある」とか。

 

そもそも化粧品は、

「肌悩みを解消してきれいになりたくて買う」ことや、

「テクスチャーの心地よさが好き」だとか、

「シンプルケアが時間のない私にあっている」などの理由で

最初は選ばれているものだと思う。

ところが長く続けているロイヤルユーザーは、

それらの条件はクリアした上で、

もっと根本的な「ブランドの考え方や主張」のようなものに賛同しているのだ。

今各社で盛んに言われている「ブランディング」の時代に、

いよいよ突入したのだと感じさせられた。

 

会社やブランドの主張は、

ロゴマークや訴求キーワードを変えるだけでは構築できない。

そもそもの考え方やコンセプトは

表面的な表現を変えるだけではすぐに見破られる。

ブランドを価値あるものにするためには、

基本の考え方を再度しっかりと固めて、

商品企画、販売促進、顧客サービス、システム開発、

フルフィルメントまで徹底させる必要がある。

しかも本気で自らの主張を明確にしておかないと、

言葉の端々や写真撮影の方法など

表現演出のトーン&マナーにまで表れてしまう。

そのため一過性のものではなく、

常日頃から本気で考えている価値を表現しないと、

本当のファンは育成できない。

 

今から20年以上前の話だが、ある化粧品メーカー様の依頼で、

「10年後、20年後の日本の女性たちの意識はどう変化するか?」

という予測レポートを依頼されたことがある。

自分自身も若かったので、

仕事であることを忘れてレポート作成に没頭した記憶がある。

データを元に予測レポートを書いたが、

私自身が「こうなったらいいなあー」と

ずっと考えてきたことを多く盛り込んでしまった。

すなわち「女性がもっと自立して、社会の中で発言権が増し、

男女平等がもっと進む‥‥」というようなことを書いたような気がする。

 

振り返ってみると半分当たっている気もするが、

予測とは大きく離れていることも多い。

このレポート作成を通じて私は、

「化粧品を販売するということは、

女性たちの生き方まで考える姿勢がないとダメだ」と教えられた。

そして今改めて考えてみると、

化粧品メーカーの「ブランディング」とは、結局のところ、

「女性たちにどんな生き方をして欲しいのか」、

その理想の姿をバックアップするような姿勢がないとダメだと思う。

だからこそ、長い期間愛用してくださっているお客様は、

その会社やブランドの姿勢を見ているのだと思う。  

 

最近のお客様の動向を見ていると、

単に安く買える商品に手を出すだけでなく、

しっかりした生き方を提案しているような広告には

安定した反応があることが分かる。

 

つまりお客様はすでに、

ブランドのコンセプトや主張、考え方をしっかり見比べて

化粧品メーカーを判断しているようだ。

そのような賢い消費者に、

その場限りの付け焼刃のコンセプトやテクニックだけの販売促進は

通用しない時代が近づいている気がする。

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