コラム
「日本流通産業新聞」4月14日号掲載2022.4.14(投稿日)
基礎講座Q&A vol.80 「Q.お客さまの声を経営に活かす」

「日本流通産業新聞」 4月14日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.80 「Q.お客さまの声を経営に活かす」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。

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Q.お客さまの声を経営に活かす
経営トップから「もっとお客さまの声を聞いて業務に活用するように」という指示があるのですが、正直なところお客さまが連絡をくださるのはクレームがほとんどで、どのように業務に活かしたらよいか分かりません。(中堅の通販化粧品会社)

A.通販化粧品ビジネスは「お客の声」が全ての基本
◆お客さまの声は“宝の山”!

 通販化粧品のビジネスは、お客さまから寄せられる”さまざまなお声”が全ての基本だと考えてよいと思います。だから多くの声が集まっているブランドは、それだけ将来の可能性が高いビジネスをしていると考えられます。
 ある会社では、「すべての経営判断の基準をお客さまのお声にする」と経営者が決めたといいます。そのくらい”お客さまのお声”は重要だということです。
 そのため通販化粧品をビジネスにしている会社は、意識してお客さまの声を多く集める方法を考えるとよいでしょう。
 お褒めの言葉や感謝の言葉だけではありません。お叱りやクレーム、要望、意見などをお客さまが簡単に発言しやすく、問い合わせしやすい環境をつくるべきです。
 各社とも声を集めるはがきを同梱したり、問い合わせ先を案内したりしていますが、これらをもっと気軽に、書きやすくするべきです。
 例えば回答しやすい質問を多くしたり、選択式回答にしたり、回答を寄せてくれた場合にはささやかなプレゼントをしたり、方法はいくらでもあります。
 回答はがきの宛先が社長の名前になっている会社もありますが、それだけ届いた声に対し、真摯に向き合うという姿勢を表しています。
 通信販売は対面で接客しているわけではないので、お客さまの声は商品、接客、サービスに対する評価なのです。この声の反応を確認しながら業務改善をする必要があると思います。

◆双方向で情報交換をする

 このようにして集めた声は全社員で共有し、いつでもお客さまの声を確認できるような体制が必要でしょう。また声の内容は項目別に分類してデータ化し、すぐに業務改善に生かしましょう。情報不足や分かりにくい表記などはすぐに改善できるはずです。
 お客さまに多くの声を寄せていただくためには、まず注文時のファーストアクセスから一言コメントをいただけるような工夫をすることもよいでしょう。購入理由などを聞いたり書き込んだりしてもらえれば、その後の販促施策にも活用できます。
 既存顧客になってもらえたら、「お声募集」を目立つ形でご案内し、どんなことでも声を寄せてほしいという姿勢を見せることです。それでもクレームがある場合は別として、何もないときにわざわざ問い合わせしてくださるお客さまはあまりいません。
 そのようなときは、簡単なアンケートを実施してみてはどうでしょう。多少コストはかかりますが、意見を言うことでお客さまに業務に参加していただくのは、とても有意義なことです。なにしろ、お客さま目線の反応がリアルで戻ってくるので、対応不足の課題がたくさん出てきます。
 また、直接的なご指摘やご要望でなくても、回答の裏に潜むお客さまの気持ちを読み取ることがとても大切です。
 一方、アンケートなどを実施した場合は、結果を公表し、対応策についての方針なども公表すべきです。お客さまにお寄せいただいた回答がどのぐらい業務改善に役立ったかということを、感謝の言葉とともにお知らせする必要があります。そうすれば好感度は高まり、次回も協力してもらえるはずです。
 アンケートが集まるようになったら、インタビューや座談会、イベントなどにも出ていただけるようになります。通販だから直接お会いしてはいけないという理由はないはずです。直接お会いすることで理解が深まり、その後のLTVが拡大したというお客さまも大勢いらっしゃいます。

◆「共感」を拡散してもらう

 通信販売はメディアや媒体を通じてお客さまと接するために、どうしても関係性は希薄になりがちです。ただし一度でもリアルな接点がありパーソナルな交流があると、思いが伝わってより親しくなることができます。
 また製品や会社のことを深く知ることで理解が深まり、お手入れの励みになったり、お客さまにとっても、会社にとっても本来の目的が達成されることになります。
 そしてきれいになった生き生きしたお客さまが増えれば、きっとその姿を見た周りの方々も刺激を受け、美しく生きる共感の心が拡散していくことでしょう。

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