コラム
代表鯉渕へのインタビュー2011.1.13(投稿日)
私が起業した理由2

「女性が頑張った分だけ認めてもらえる会社を」という志のもと設立したフォー・レディー。第2回目では、会社設立当初から現在の事業スタイルが構築されるまでを聞きました。

 

  • 会社設立当に
  • BtoB通販事業への挑戦

 

社員:フォー・レディーの創業当時はどのような仕事をしていたのですか?

鯉渕:創業した1982年当時、私ひとりで奔走していたところに大手広告代理店から話があったの。美容雑貨、服飾雑貨、生活雑貨のカタログ卸通販事業を代行してほしいという内容だったわ。

 

社員:今まで経験したことのある仕事だったのですか?

鯉渕:今では盛んに行われているBtoB卸通販だけど、当時としては新しい事業内容だったわね。卸通販の経験はなかったけど、婦人服組合に在籍していたおかげで、アパレルやインナーメーカーはよく知っていたし、ファッションショーも手伝っていたから、服飾メーカーもよく知っていたのよ。だから商品の仕入れルートも分かっていたし、カタログ制作はもともとファッションカタログを制作担当していたから、すぐにできると思ったわ。

 

社員:その時代だとまだインターネットの普及率は低かったですよね。

鯉渕:そうなの。だからこそ、カタログが重要な役割を担っていたの。視覚的に商品の魅力を表現できるのはカタログなどの紙媒体。インターネットでもそうだけど、実際商品が試せないじゃない?だから自分でその商品をまず試してみたの。本当にその商品はよいものであるかは、使ってみたり、試着してみたりしないとわからないわ。それは今でも実践していることよ。

 

社員:そうですね、実際お仕事させていただくクライアント様の商品は試しています。

鯉渕:でも、ただ試すだけではだめ!それをカタログに落とし込む時に、「これは便利、これは効果的」というものを消費者の視点で見極める力を持って制作したの。よい商品はヴィジュアルに訴えると輝くもの。だから、売り方の訴求ポイントを正しく誌面で伝えれば、売上げ拡大につながるチャンスになるのよ!

 

 

社員:なるほど。そして、BtoB通販カタログの結果はどうだったのですか?

鯉渕:商品を買ってくれる女性消費者の視点に立ってカタログ制作したのが功を奏して、高い評価をいただいたわ。結果として、設立1年目にして社員は10名になったのよ!それから事業内容のフレーム作りから、具体的にメーカーの商品開発、企画MD作業、カタログ制作、ショールームの展開、展示運営までの一切の業務をトータルで請け負ったの。

 

 

  • 基本理念を忘れず、
  • これからも質の高い仕事を

 

社員:10名の社員でその業務量だと大変だったのではないですか?

鯉渕:大変だったわよ!まあ、大変じゃない仕事はないんだけどね。少数精鋭でやっていこうと思っていたから、人数は少なかったけど、きめ細やかに女性の感性を生かせたわ。その後、大手総合通販や大手百貨店のギフトカタログ等を任せてもらって、MDからカタログ制作まで一貫して請け負うという”トータル受注方式”は、当社のビジネスモデルになったわね。MDのテーマ設定からヴィジュアル提案まで一貫して任せてもらえることが、とても楽しかった。まるでスタイリストになった気分でやっていたわ。でも、すぐにカタログ発行には売上を上げて収益を出すということがとても大事なことだと気がついたの。だから、売り上げデータとにらめっこをして、MDすべき商品を決めていくという、MDの基礎について徹底して学習していくことになったわけ。

 

社員:それが今につながっている訳ですね。

鯉渕:でも本当に現在のようなビジネススタイルになったのは、化粧品会社の仕事を本格的に始めてから。アパレルや雑貨の場合は、生活提案のテーマと品揃えが売上を左右するけど、化粧品の場合は、それにプラスして商品の使い方の提案や、季節に合った特集記事が不可欠。だから、アパレルよりもコピー力、文章力がないと売れないのよ。今も当社の社員は日々感じでいることだと思うけど。それが分かってから、「文章で食べていくしかない」と思っていた私には、ぴったりだと思えたのよ。最大手の化粧品会社の仕事で鍛えられたことも大きかったわ。だから、いまだに最初に大きなお仕事を任せてくれた得意先にはとても感謝しているのよ。

 

 

社員:最初の大きな仕事で成功したから、通販化粧品ブランドの企画開発に携わることができたのですか?

鯉渕:そうね。それと、通販会社が教えてくれた「売上を考えて、カタログを作る」ということも大きな財産になったわね。お陰で、その後も次々と通販化粧品会社の仕事をお手伝いして、売上げを大きく伸ばすにはどうしたらいいか、学習出来たわ。

 

社員:それは、私たちも毎日たたきこまれています。

鯉渕:だから、当社は単に制作物をつくるだけでなく、お得意先の商品を使わせていただいて、あるいは一緒に商品開発をして、どのような販促計画で訴求したらいいかまで考え、トータルでお手伝いするというやり方が弊社のスタイルとして定着してきたのだと思うわ。

 

社員:社長の今後の構想は?

鯉渕:私が会社をつくったのは、女性でも責任のある仕事ができるということを証明したかったから。どういう生き方を選ぶかは人それぞれだけど、選択肢は男性にも女性にも平等に与えられるべきだと思う。でも、権利を主張するだけではダメなの。行動で示して結果を出せば、世間は段々と納得するもの。だから、私たちが質の高い仕事をすることで、少しでも働く女性がチャンスを得られることに貢献できればいいなと思っているわ。

 

 

 

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