コラム
「週刊粧業新聞」 12月10日号掲載2012.12.10(投稿日)
第7回「『化粧暦』をつくろう!」

「週刊粧業新聞」 12月10日号に、代表取締役 鯉渕の『激変するコスメマーケット 第7回 「化粧暦」をつくろう!』が掲載されました!

本文は、下記の通り。 

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『激変するコスメマーケット』

第7回 「化粧暦」をつくろう!

 

今年の冬、アパレル業界ではバーゲンセールが早まるところと、

そうでないところが生じるというニュースを聞いた。

 

というのも、毎年バーゲンが早まり、

シーズンの初めからOFFプライスが常体化していたため、

昨年は業界全体で足並みを揃えてバーゲンの後ろ倒しをしたところ、

各社揃って業績を落としてしまった反省から、

今年は例年通りに早いバーゲンに戻したお店と、

やはり正価販売の期間が実質上ほとんどないという点を

是正しようとしているお店に分かれたようだ。

 

このように、アパレル業界では

シーズンの変化と年間催事の当たり外れは、業績を大きく左右する。

 

一方、化粧品販売の場合もアパレル業界ほどではないが、

季節の変化に応じたプロモーションを展開してきた。

ただし化粧品業界では「値引き催事」という意味合いではなく、

他社商品からの「ブランドスイッチ」のチャンスとして、

新商品リリースのタイミングにしてきた会社がほとんどだと思う。

 

また化粧品は通年商品も多いので、

アパレルのように「衣替え」しなければならない理由が希薄になるため、

どうしてもシーズンイベントがおざなりになりがちだ。

 

それでも私はやはり季節感の演出は、化粧品の大事なプロモーションだと思う。

初夏ならUVのシーズンだし、真夏は皮脂対策、

秋はおしゃれのメイク、冬は徹底保湿のスペシャルケアアイテムを、

ジャストタイミングでお客様に進めたい。

 

シーズンプロモーションを通じて、

お客様に「化粧暦(こよみ)」の概念を持ってもらうことは、

きちんと肌のお手入れをするお客様を育成するためにも不可欠なことだ。

 

商品を夏用、冬用と用意しなくても、

夏は皮脂対策で涼しくお手入れする方法、冬は重ねづけなど万全の乾燥対策、

そんな使い方、使用量を調節することで、

季節に合った適切なお手入れ方法のアドバイスができる。

 

お客様が使用する化粧品ブランドを切り替えるタイミングは

やはり「季節の変わり目」。

肌トラブルに陥るのもこの時期だから、大きなきっかけになっていると思う。

 

そんな時期に、季節に適した、効果的なお手入れ方法も一緒に提案すれば、

ブランドスイッチの機会もより多くなるに違いない。

 

そのためにも、ぜひ自社製品で、

使い方を含めた年間の「化粧暦」を作ってみてはいかかだろうか。

たとえ「通年商品」として打ち出している商品でも、

季節の変化に応じたお手入れの方法を提案することは、とても大切だといえる。

 

それは四季がある日本人の暮らし方をお客様とともに楽しんで、

日本人の化粧の文化を共有するチャンスでもある。

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