コラム
「週刊粧業新聞」8月4日号掲載2014.8.4(投稿日)
第17回「新ブランド立ち上げはゴールではない!」

「週刊粧業新聞」 8月4日号に、代表取締役 鯉渕の『激変するコスメマーケット 第17回 新ブランド立ち上げはゴールではない!』が掲載されました! 

本文は、下記の通り。 

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『激変するコスメマーケット』

16回 新ブランド立ち上げはゴールではない!

 

ここ数年、雨後の筍のごとく増えた通販化粧品への新規参入も、

ようやくひと段落した。

既存の販売ルートがなくても参入が可能なだけに、

他業種大手から小さなメーカーまで、

実に多種多様な分野からの参入があり、通販化粧品は今や飽和状態だ。

マーケットは本格的な成熟期に突入し、

「本物」だけが生き残るサバイバル時代が始まりつつある。

 

そんな中、せっかく立ち上げたブランドが伸び悩み、

業績低迷に苦しむ声を聞く機会が増えてきたように思う。

活気あふれる勝ち組の通販化粧品業界に参入したのに……。

低迷に悩むブランドの多くがそう感じているだろう。

パワーと勢いに満ちた立ち上げ作業が終わり、

製品が完成して世に出した瞬間、

「やりきった!」という満足感を味わったものの、

デビュー後の低迷は思いがけないことで、

驚き落胆しているという話はとても多い。

 

伸び悩んでいるという化粧品を実際に試用してみると、

中身は決して悪くない。

パッケージデザインもきちんとしており、製品としては何ら問題がない。

ではいったい何が悪いのか。

いくつかの企業の例を見て、共通の問題点があることに気づいた。

 

伸び悩みの原因は、製品そのものに問題があるわけではなく、

「商品を売る体制」ができていないことだ。

 

製品が出来上がったことで満足してしまい、売るための戦略ができていない。

「既存の販売ルートはいらない」とは言っても、通販化粧品ならば、

「通販」という販売方法と、

「化粧品」の販売という2つの課題をクリアする必要がある。

 

まず、2つの“商売”のセオリーに沿った販売戦略を立案し、

その上で自社のオリジナリティーや

参入目的に応じた条件をプラスした戦略を実施していくべきだと思う。

 

つまり製品開発やブランドの立ち上げは「ゴール」ではなく、

スタートラインに立つための準備が整ったということなのである。

 

多数のブランドが林立する今の化粧品業界は、

製品力さえあれば売れるほど甘くはない。

製品力と販促力はビジネスの両輪で、どちらか一方でも欠ければ成功しない。

 

開発した製品をどう売っていくのか、

明確な販売のビジョンを持ちそれを実行していくパワーがなければ、

すでに始まっているサバイバル時代を勝ち残ることはできないと思う。

「新規顧客開発」から「ロイヤル顧客育成」までのフローが

しっかり実行できる勝ち組の通販化粧品会社になるためには、

商品開発、販促企画、顧客分析、フルフィルメントなど、

重要なビジネスポイントで確実に実績をあげなければならない。

 

それらがすべて連携し、きちんと回るようになって初めて、

新ブランド立ち上げプロジェクトは軌道に乗ったといえる。

 

付け加えるなら、このプロジェクトに「完了」はない。

時代とともに変わっていくお客様のニーズを的確にとらえて、

製品・サービスともにブラッシュアップを続けていかなければならない。

 

ブランド立ち上げに満足してしまうことなく、

ぜひ「進化」を続けていってほしいと思う。

それが成功への道だと思う。

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