2年前から同じネイルサロンに通っている。
その理由が「価格システム」である。
そこは、施術から3週間以内に再訪問すると
3,000円で次の施術が受けられる。
この価格をベースに4週目だとプラス500円、
5週目だとプラス1,000円…とだんだん料金が上がっていき、
最大でプラス1,500円になる。
同じ施術内容でも、期間によって1,500円の差があるのだ。
であれば、3週間に一度通った方が断然お得感がある。
一年目はせっせと3週間に一度は足を運んでいたものの、
毎回、爪の表面を削るため、爪の傷みが気になり始めた。
そこで、2年目からは4週間に一度の頻度にした。
「爪の健康を考えたらプラス500円は高くない」と思った。
ところが!
冷静になって考えてみると、
一年間のネイル代は、
4週間に一度のペースの方が安いことが判明。
3週間ペースは1年で17回×3,000円=51,000円
4週間ペースは1年で13回×3,500円=45,500円
これは、本当に上手な戦略だ。
何しろ、顧客(私)は3週間ペースが断然お得!と
信じきっていたのだから(笑)。
上記の試算でいうと、5週間ペースはもっとお得であるが、
さすがに5週間は放置できないので
現在は4週間ペースに落ち着いている。
ちなみに、同店の2つ目の魅力は、ジェルネイルのオフ代である。
他店施術の場合、オフ代は有料(500~1,000円)の店舗が多い中、
すべて無料なのだ。
つまり、他店の顧客にとって、
乗り換えのハードルがグンと低くなり、新規客が増えるのだ。
通い始めた2年前は、当日予約が可能だったが、
今となっては2週間先まで予約が埋まっているほどの
繁盛店になったのは言うまでもない。
そして、つい先日、店舗リニューアルオープンの知らせをもらった。
移転先は銀座・数寄屋橋の新築ビルだ。
早速、訪問したところ、
肝のはずの「価格システム」が変更になると案内された。
新システムは、施術料金の変動はなし(どのタイミングでも3,000円)。
その替わり、オフ代が有料になるとのこと。
「あら、有料になっちゃうのね…」と思った瞬間、
オフ代無料券を6枚いただき、
私はまんまとロイヤル客へとなっていくのだ…と感じた。
まずは、リピートしたくなる価格システム&他店からの乗り換え客を獲得し、
定着したら思い切って「サービスを刷新」する。
さらに、既存客への案内の仕方も徹底している。
単なるキャンペーンではなく、
顧客の心理に合わせ戦略だからこそ、実りがあるのだと痛感した。
(I.H)