コラム
社員コラム2018.11.27(投稿日)
高齢者に寄り添うサービスを考えるには

 

日本は65歳以上の高齢者の総人口に占める割合が世界で最も高く、日本の人口全体の27.7%(※)を占めている。4人に1人以上が高齢者の時代の中、通販化粧品市場においても65歳以上のお客様の購買意欲は高く、現にその方々をターゲットとしたエイジングケア化粧品は年々増え続けている。

 

そのため必要となるのは、高齢者特有の悩みにどう応えるのか。「文字が読みにくい」「化粧品の使う順番がわからない」「キャップが開きづらい」など、年齢を重ねるとスムーズにできないことに対してどのような商品やサービスを提供すればいいのだろうか。最近は、高齢者の方々が負担なく楽しくお手入れやメイクができるよう、各メーカーでさまざまな取り組みがされている。弊社のお得意先様では、高齢者の負担を少しでも減らすため「視認性の高いデザイン」について追求している。「文字をストレスなく読めるように」「ひと目でわかるように」を基準とし、「お客様が読んだ時にどうなのか」を常に意識して、制作物をチェックしている。ある化粧品メーカーでは、高齢者が化粧品のふたを開閉しやすくするため輪ゴムを用いたり、握りやすいパッケージに改良したり、持ちやすい柄の長いブラシにしているとのこと。さらに、接客においても高齢者だからと極端にお年寄り扱いするのではなく、「敬いの心」をもつよう指導されていたりするとのこと。自分が高齢者になった時のことを考えると、もっと便利に快適なサービスや商品が生まれるのではないかと期待している。

 

しかし、このようなサービスや商品を考える時、高齢者が困っていることに関して想像することはできても実際にそれよりも若い世代では、本当の意味で実感することは難しい。そこで今回私が体験したのは、東京ガスが無料でおこなっている「シニアシュミレーション」。この体験では、高齢者の方々に実際に起こっている身体的・心理的変化について学べ、白内障では文字がどのように見えているか、身体の融通がどれほどきかないかなどを特殊な道具や映像で実体験できるのだ。短時間ではあったが、今回の体験を通して、「見えづらい、聞こえづらい」ことが日常生活において、どれだけ“負の気持ち“にさせてしまうかが実体験できた。そして、体が動きづらければ外出もしたくなくなる、見えにくければ文字も読まなくなるという負のスパイラルに陥ってしまうことも理解できた。もちろん、元気な高齢者の方は沢山いらっしゃるので一概には言えないが、40代の私自身ですら、とても負担に思えたのは事実だ。これからは、この少しの体験と今まで培った経験を活かし、高齢者の方にもっと寄り添った広告を作ること。そして、やはり化粧品だからこそ年齢に関係なく、楽しみながら、美しくなりたい気持ちを盛り上げていきたいと思う。

(※)平成29年総務省統計局データより

(M.I)

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