コラム
『週刊粧業新聞』8月18日号掲載2025.8.18(投稿日)
激変するコスメマーケット 第110回 「美容の、その先の目標を提案しよう!」

『週刊粧業新聞』8月18日号に、代表取締役 鯉渕の「激変するコスメマーケット 第110回 美容の、その先の目標を提案しよう!」が掲載されました!ぜひ、ご覧ください。

**************************************************

「激変するコスメマーケット」
第110回 美容の、その先の目標を提案しよう!

最近私は「パーソナルトレーニング」に通っている。
もともとのキッカケは、定期診断に通っている医師のススメからだ。ススメというより「脅し(?)」に近い。医師曰く「このまま何も運動をせず、食事にも注意を払わない生活を続けていると、そのうち寝たきり老人になるよ」と予言された。以来、通勤時はウォーキング、食事は管理栄養士に指導してもらうことに。数か月で危険度合いは少し緩和したが、本人中では徐々に義務感拡大し、「そのうち挫折してしまうかもなあ……」と不安を抱きつつ、なんとなくウォーキング&薄味食事を続けていた。

しかし、「これではいけない!」と一念発起して、正しく基礎体力をつけるため、専属トレーナーによるパーソナルトレーニングに取り組むことにした。トレーナーは、私の目標や体力レベルに合わせて、丁寧に指導し、ポジティブな応援をしてくれるため、続けることが苦にならなくなった。おかげで体に変化が現れ、体力もついて筋肉量も増えてきた。何よりも大きな変化は、様々なことにチャレンジすることが億劫ではなくなり、何事にも前向きな意欲が出てきたことである。自分に自信が持てるようになったのかもしれない。

病院で脅された担当医師へ「体調改善はもちろん、気持ちが前向きになった」ことを報告すると「そうでしょう! 体と気持ちは繋がっているので」と喜んでくれた。この経験を通して、化粧品もまた同じなのではないかと思った。

例えば、シミがある、シワが気になるなど、肌に悩みや不安を抱えている時、私たちは「なんとかしなければ」という義務感から、新たなスキンケアを始めることが多い。しかしなかなか効果は表れない。そんな時に、専門知識を持つ美容部員や化粧品会社のスタッフから、的確なアドバイスやサポートを受けることで、状況は大きく変わることもある。

最初は半信半疑だったスキンケアに対し、プロから言われた通りに実践してみると、少しずつ変化に気づき始める。肌の調子が良くなるにつれて鏡を見るのが楽しくなり、毎日のお手入れが待ち遠しくなるだろう。そして周りから「肌がきれいだね」「若々しくなったね」と言われると、さらに自信が深まるという好循環が生まれるのだ。

そして肌がきれいになることで、おしゃれにも前向きになり、躊躇していた明るい服に挑戦したり、流行のメイクを楽しんだり。積極的に外出するようになり、人との交流も増えるだろう。まさに、人生がより豊かに、そして楽しくなっていくのだ。

私の筋力トレーニングも化粧品も、共通て言えるのがプロにドバイスしてもらうことで、本人も気が付かなかった自分の潜在能力を引き出し、考え方も前向きになれることだ。そしてそれが新たなチャレンジに繋がる。ジャパネットたかたの創業者である髙田明氏は、「商品は単なるモノではない。商品の先にある『感動』をお伝えし、商品を手にしたお客様に『幸せ』をお届けすること」が信念だと語っている。

この言葉は、化粧品ビジネスにも通じる。化粧品は、その先に広がる「幸せ」を届けるものだ。「年齢的にケアしなきゃ」というだけでは継続が難しいことも、「シミを薄くして、思いきり笑いたい」「くすみを消して、もっと若く見られたい」といった具体的な目標を持つことで、日々のスキンケアも頑張れる。そして、その目標が達成できた時の喜びは、何物にも代えがたい。お客様が「なりたい自分」を叶え、自信と喜びに満ちた人生を送るための目標を明確に示し、応援をすること。単に商品を売るのではなく、お客様一人ひとりの肌悩みに寄り添い、具体的な「目標」を持たせるような化品販売をぜひ心がけたいものである。

このページの上へ