コラム
社員コラム2013.8.23(投稿日)
オーガニック化粧品の展望

以前はオーガニック化粧品と言えば、敏感肌やロハスを謳う限られた人のみが使う化粧品という認識があった。しかし近年では、オーガニック化粧品の売り場が目立ってきている。都内の百貨店でも一般化粧品とは別に売り場を設けていたり、世界中のオーガニック・自然派化粧品を集め販売していたりする店舗も現れ始めた。矢野経済研究所によるとオーガニック(自然派も含む)化粧品の市場規模は2007734億円から2012年は930億円に増え、今後も右肩上がりが予測されており、今後期待される化粧品カテゴリーになっている。

 

オーガニック化粧品が期待される背景には、東日本大震災後に化学物質をできるだけ使わない安心・安全志向の消費者が多くなったことと、外側だけを美しくするのではなく、根本から美しくなろうとするインナーケアへの意識が高まってきたことも大きいのではないだろうか。防腐剤や添加物でさえも天然成分を使用し、植物本来の力を肌に与えることができる化粧品は毎日使うものとしてとても魅力的だ。ただオーガニック化粧品は、肌に優しい余分な負担をかけないというだけで、「シワ・たるみ」などの深刻な肌悩みに対応できない化粧品という認識があった。

 

しかし、最近のオーガニック化粧品は肌に優しいだけではなく、エイジングケアや美白ケアもできる高機能を付加した化粧品としても注目を浴びている。最新の科学技術と天然成分を掛け合わせたハイブリッドな化粧品の発売が相次いでいるのだ。それは自然素材の力を最大限に引き出す技術力があってこその成果ではないだろうか。それまでのオーガニック化粧品は、「自然の植物成分を使用している」「無添加、防腐剤なし」という点で差別化を図ってきたが、今やシリコンや紫外線吸収剤を使用せずにSPF25・PA+++を実現させたり、シワやたるみなどの肌悩みを解決してくれる成分を高配合したりと、積極的に機能性を向上させる製品づくりを行うことで、優しさ“”安全性以外の差別化を図っている。時代のニーズに合わせ、安全性は維持しつつ機能性を追求しながらオーガニック化粧品を進化させているのだ。

 

現在の化粧品市場では「エイジングケア」「美白ケア」と言った付加価値のある化粧品でないと消費者の購入意欲を刺激することは難しい。これからオーガニック化粧品がさらに進化して、一般的化粧品とどのような差別化を図っていくのか注目していきたい。

                                   (M.I

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