コラム
コンプレックスの奴隷2014.8.29(投稿日)

 

小さい頃から身体的コンプレックスの強い人間でした。

その最大のものは背の高さ。小学校卒業時にはすでに160cmを超えており、男子女子含めかなり大きな部類でした。つまり、ちょっとイイなと思うような男子も、大概自分よりちっこいんです。当時のアイドルはカワイコちゃんタイプのみ、現代のように「個性」として認めてもらえるようになるまでにまだ十数年が必要でした。色黒でのっぽのガリガリ、可愛げのないわたしのようなタイプは、明らかに女子のモテヒエラルキーでは下層。名前も男の子と間違えられることが多く、せめて名前だけでも当時流行っていたみゆきちゃんとかまゆみちゃんとか、そんなのが良かった!と親と世を恨むカワイソウな女子だったのです。

 

身長は結局168cmまで伸びました。高校、大学、社会人となって、服装やお化粧などで見た目は変えられるということを学びはしましたが、身長を低くすることはできません。少しでも小さく見せるために、靴はできるだけフラットシューズ。世の中には、わたしと同じ位かそれよりも小柄な男性は少なくなく、そういう方々にとっては、わたしと並んで歩くことが気詰まりだろう、などとかなり卑屈な考えにとらわれていたのです。社会人になって男性の営業さんに同行する際は、そのヒトの身長を確認して靴を選ぶという気の使いよう。気になっている相手でもないのに、今考えると本当に滑稽です。完全にコンプレックスに囚われていたんですね。しかしそんなわたしに、当時尊敬して慕っていた先輩(既婚男性)の言葉が光を与えたのです!

 

「なんでコンプレックスなの。背が高いってカッコイイじゃん」

 

本当に何気ない会話の中でのひと言。それまでにも、同じように声をかけてくれた人もいたのではないかと思うのです。しかしなぜかあの時のあの言葉によって、凝り固まっていたわたしのコンプレックスの一部が明らかに解け出したのです。十数年経った今も、ハイヒールを履くとたまに思い出します。

 

それから少しして、わたしは少々自由度の高い仕事へと転職しました。靴選びはどんどん自由になって、最近は7~8cmほどのヒールが中心。もっとも高いものは、ヒール高10cmほどのブーツです。これを履くと見た目180cm近くになるので、かなりの威圧感あることもわかっているのですが、TPOを踏まえた上で履きたいものを履こうと思っています。

 

今もコンプレックスは沢山ありますが、ジタバタする年齢でもないですし、上手く付き合っていけてるのではないかな。1020代の頃のわたしにもし会えるなら、「いま気にしている身体的なことって、この先、ほとんどどうでも良くなるよ~。あんまりクヨクヨすんな!」って教えてあげたい。そんなこと言っても当時のわたしなら「おばさんにはこの気持ちわかんないよ!」っていわれちゃうんでしょうけど

 

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今年購入のサンダル。足の指の形は今でもコンプレックスなので(泣)、サンダルも指が微妙に隠れるタイプをチョイス。

 

 

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ヒール高10cmのお気に入りブーツ。冬が来るのが待ち遠しい。

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