コラム
「日本流通産業新聞」 4月16日号掲載2015.4.16(投稿日)
基礎講座Q&A vol.26  「Q.サンプルから本品購入に引き上がらない」

「日本流通産業新聞」 4月16日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.26 「Q.サンプルから本品購入に引き上がらない」が掲載されました! 本文は、下記の通り。

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Qサンプルから本品購入に引き上がらない

 

当社はもともと化粧品のメーカーなので商品には自信がありますが、

通販事業に参入したばかりで認知度が低く、

とにかく多くのお客さまに知ってもらうことが第一と考え、

商品の無料サンプルを配布しています。

サンプル請求自体の反応は好調なのですが、

そこからなかなか本品購入につながりません。

どのような対策が考えられるでしょうか。

(通販化粧品会社)

 

 

 

A.本品購入に至るまでのストーリーを築く

 

サンプルやお試しセットを目的にアクセスしてきた見込み客を、

本品購入へと導く仕掛けは、化粧品通販では王道ともいえる手法です。

中でも幅広いお客さまに商品を知ってもらうことを目的とした「無料サンプル」と、

本当に欲しいお客さまをセグメントしたいための「有料サンプル」と、

大きく分けて2通りの方法があります。

 

当然、有料サンプル請求者の方が、

その後の本品購入に結び付く確率が高いということは予測できます。

 

通販化粧品ビジネスが好調だった時代には、

なかなか本品購入に結び付かないと言われていた「無料サンプル」から

本品購入率が3ヶ月で30~40%台というような優秀な企業もありました。

 

それが現在では、いろいろなフォロー施策をしても

せいぜい10%台という状況が多いようです。

過剰サービスに慣れてしまった消費者意識や景気の低迷などにより、

その厳しさはますます大きくなるばかりです。

 

しかし現在でも、同じ無料サンプルからでも、

高い本品購入率を誇る会社もあるようです。

 

◆ただサンプルを送ってないか

弊社では、大手通販化粧品企業を対象に

サンプル取り寄せの「ミステリーショップ調査」を行っていますが、

売り上げが好調な企業とそうでない企業には、

顧客対応に明確な差があることが分かります。

 

売り上げが好調な企業は、

サンプル請求から本品購入に誘導するまでのストーリーが

しっかりとシナリオ化されているのです。

 

一方、売り上げが伸びていない企業は、

電話をかけても、お客さまにただ送付先を聞き、

ただサンプルを送るだけで終わってしまっています。

 

通販化粧品が絶好調の時代であれば

それでも本品購入につながるケースがあったかもしれませんが、

今はそんな時代ではありません。

 

サンプル請求してくるお客様は、肌悩みを抱えているはずです。

その悩みに徹底的に寄り添い、手厚いフォローで悩み解決に導かなくては、

お客さまは本品購入に動いてはくれないのです。

 

◆おもてなしの心で引き込む

では、本品購入へ導くストーリーとはどのようなものでしょうか。

 

①電話を受けたオペレーターが、

 お客様に「どのような肌悩みがあるか」を徹底的にヒアリング。

 悩みに対する簡単なアドバイスを行う。

②商品サンプルと合わせて、

 各人に合わせた悩み解消のアドバイス情報を同梱する。

③今購入すると○○○○をプレゼント、などの期間限定キャンペーンを実施。

④サンプル使用後にDMや電話などでしっかりとフォローを行う。

 

これらのストーリーがお客さまの立場に立って心地よい情報提供になってこそ、

お客さまは初めて本品を購入したい、使ってみたいという気持ちになるのです。

 

通販はリストビジネスですから、無料サンプルをたくさんの消費者に配布し、

見込み客リストを入手することは、とても意義のあることです。

しかし、そこで終わってしまっては、それは単なる「無料奉仕」です。

 

御社では、サンプルから本品へとつながるストーリーをしっかりと築いていますか?

まずはそこから見直し、考えられる施策をどんどん試してみてください。

 

お客さまの肌悩みに寄り添うおもてなしの心があれば、

解決の道はおのずと見えてくるはずです。

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