コラム
「日本流通産業新聞」8月2日号掲載2018.8.2(投稿日)
【〈2018 DMフェア〉セミナーダイジェスト】〈講師/フォー・レディー 鯉渕登志子代表「通販化粧品~伸び悩みからの脱却作戦~ 100億の壁を破って飛躍するための戦略とは」【前編】
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「日本流通産業新聞」8月2日号に、代表取締役 鯉渕の『〈2018 DMフェア〉セミナーダイジェスト』が掲載されました! 本文は、下記の通り。

 

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【〈2018 DMフェア〉セミナーダイジェスト】〈講師/フォー・レディー 鯉渕登志子代表

「通販化粧品~伸び悩みからの脱却作戦~ 100億の壁を破って飛躍するための戦略とは」【前編】〉/壁を事前に認識し、先手打つ

フォー・レディー(本社東京都)代表の鯉渕登志子氏は、多くの化粧品通販企業のご意見番を務める実力のあるコンサルタントだ。

4月に開催したダイレクト・マーケティング・フェア2018では、「通販化粧品~伸び悩みからの脱却作戦~100億の壁を破って飛躍するための戦略とは」と題したセミナーを実施。伸び悩む通販化粧品企業の現状を打破できる次の一手を指南した。

今回は「50億の壁、100億の壁を越えるには」をテーマにお話しします。
当社は本来広告の企画・制作会社なのですが、最近はコンサルティング業務も行っています。多くの企業にとって、売上高50億円、100億円というのは壁として立ちはだかっているようです。そこで、壁に突き当たる前に何をすべきか、ということをお話しします。

「女性のために」を意識

私は大学卒業後、アパレルの業界団体に勤めていました。商材は女性向けなのに、組織は男性中心主義で嫌気が差し、数年勤めてから転職しました。しかし、転職先でも初日から男女差別を感じ、結局3カ月で退職して現在の会社を興しました。女性が働きやすく、一人でも多くの女性の意思決定に関わる立場となれるように、という願いを込め「フォー・レディー」という社名にしました。
前職の経験を生かし、総合通販と化粧品の店頭販売の広告業を始めました。当時通販化粧品が上り坂だったのでその波に乗り、以降35年ほど化粧品通販業界に携わっています。
この仕事をしてきて重要だと感じているのは、消費者である女性や、業界外の人々の目線を大事にすることです。そして数字や具体的な事実に基づいて物事を判断するということも大切です。

リピーターが売り上げを作る

通販化粧品事業は、リピーターをつかまなければ業績を上げることはできません。新規顧客の獲得よりも、離脱しないようにすることの方が困難かつ重要なのです。逆に言えば少しずつでも新規顧客を増やし、その離脱を防げれば、売り上げは増えていきます。
あるとき、とある大手通販化粧品会社の売上高を3年で2倍にするプロジェクトに携わったことがあります。
プロジェクトの開始時に、毎年前年比で30%増の売り上げを上げ、3年後の売上高を1年目の220%とする目標を設定しました。
過去の売り上げデータ7~8年分を分析したところ、その企業のオールインワン化粧品は離脱率が高いことが分かりました。そこで、1年目にはライトユーザーのリピート率と顧客単価を上げ、ロイヤルユーザーを作る仕組みを作りました。2年目に単価の上がるヒット商品を発売。そして3年目には、大量広告を打つことで目標達成に成功しました。

スタッフの質が業績に

マーケティングによるリピーター育成に軸足を置きつつ、新規顧客獲得とのバランスを取ったり、商品開発に携わったりする。それが当社のやり方です。近年はウェブとリアル媒体とコールセンターとで連携を取ることも重要だと考えています。
通販受注のコールセンターを外注にしている会社が多いですが、業績の良い会社はやはりコールセンターのスタッフの質の向上も意識しているようです。ただ、そうした意識の高い企業についても、店頭販売のマニュアルを作ってきた経験のある私からすると、まだまだ改善の余地があるように思われます。

三つの視点で「壁」を超える

50億や100億の壁にぶつかったとき、重要なのは三つのマーケティング視点だと考えています。
第一に、徹底的に顧客を知ること。通販業者は顧客と対面することがありません。CPOやCPRの数字以前に、どのような気持ちで顧客に接するかが大切です。
第二に、競合他社を知ること。壁にぶつかっている会社に「競合のどこが優れていますか?」「御社のどこが負けていますか?」とお聞きしても、答えられないことがほとんどです。
第三に、自社社員のスキルを知ること。中小企業には、中途採用の社員が多くいます。そうした人たちがどんな能力を持っているのか、どうすれば生かすことができるのか。商売をする前にもっとコミュニケーションが必要だと考えています。

敵を知り、己を知る

マーケティングで最も重要なのは、「誰に何をどのように売るか」です。その方針を定めれば、自ずと製品価格なども決まってくるはずです。
これからは、現場がどれほど努力しても、経営者がマーケティングのプロとならなければ生き残っていけません。
通販業はシステム上、自然にデータが集まってきます。そのデータに基づいて顧客を知り、敵を知り、己を知る。それがマーケティングの要です。「敵を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」という孫子の言葉通りです。

(つづく)

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