コラム
「日本流通産業新聞」11月28日号掲載2019.11.28(投稿日)
基礎講座Q&A vol.59 「Q.定期購入者の離脱どうすれば防げる?」

「日本流通産業新聞」 11月28日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.59 「Q.定期購入者の離脱どうすれば防げる?」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。

 

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Q. 定期購入の初回割引販売の条件として購入回数の縛りをなくしたところ、1、2回で離脱していくお客さまが増えています。理由を聞くと、「商品が余っているから」とのこと。割引サービスや継続プレゼントなどは行っていますが、お客さまを離脱させないために、他にどんなアプローチが必要でしょうか。(中堅化粧品会社)

 

A.使い方指導、楽しさや感動の演出を徹底

◆定期獲得の手法は適正か

 最近、同じような話をよく耳にします。
 そのたび気になるのは、新規集客の方法はどうなっているのか、本当に定期購入を希望しているお客さまを集めているのか、ということです。本来の定期購入は、商品を使用してその良さを実感してから購入していただくのが理想です。
 しかし、現実には「定期加入でもう1個プレゼント」「定期加入で初回半額」など、価格メリットを前面に打ち出した誘導が数多く見受けられます。
 このように価格メリットのみを目当てに購入してくださるお客さまは、本当に商品のファンになっているわけではないので、安定した定期顧客になりにくい傾向にあります。
 各社それぞれの事情があるとは思いますが、定期加入の条件を長期的な視点で考えることが、離脱客を減らすことにつながるのではないでしょうか。

◆正しく使ってもらう工夫を

 定期購入を中止、または休止するお客さまに理由を尋ねると「商品が余っているから」という回答をよく聞きます。
 スキンケア化粧品なら一般に1、2カ月で1本使い切るように設計され、定期購入もそのペースで組まれているはずです。それが余るのは、お客さまが適格な使用方法や使用量を守っていないためと考えられます。
 商品のお届けと同時に、正しい使い方や使用量などを分かりやすく解説した「使い方ガイド」などを同梱したいものです。適切な使用量、使用方法でお手入れし、効果を実感していただくことが、ファンになっていただく第一歩です。
 人はなかなか習慣を変えられないものです。商品を変えても、季節が変わっても、あるいは若い時からのお手入れ方法から抜け出すことができず、自己流の使い方を続けているお客さまは、結構多いものです。早めに自社の推奨するお手入れ方法をご提案し、慣れていただきましょう。
 お客さまに正しい使い方を求めるだけでなく、会社側からも正しく使っていただくための工夫が必要です。例えば、ジャーの内蓋に使用量や使い方をイラストで表示したり、スポイト式の美容液などに目盛りを付けたり……。化粧品会社の中には商品を買ってもらう販促の工夫は熱心なのに、使っていただく工夫にはあまり関心がなさそうな会社も見受けられます。
 化粧品の仕事は「売って終わり」ではなく、お客さまに正しく使っていただき、キレイになったと実感していただくことを着地点とするビジネスだと思います。ぜひもっと正しく使っていただく工夫をしてほしいものです。

◆定期を心待ちにさせる演出

 使っていただく工夫と併せて考えたいのが、定期購入のお届けを心待ちにさせるための演出です。
 誕生日の割引クーポンや継続プレゼントのようなお決まりの特典だけでは、お客さまにマンネリ感を与えてしまいます。もっとお客さまがワクワクして、幸せな気持ちになるような「おもてなし的サービス」を提供したいところです。
 しかも、お客さまを感動させるのは、想定外のサービスです。
 通信販売なら、商品を送る箱の中にひと工夫するのも良いでしょう。箱を開けたときに季節を感じさせる色やモチーフが飾られていたら、商品の到着が楽しみになるかもしれません。また時には飛び出す仕掛けのグリーティングカードや自社オリジナルの香りのプレゼントなど、特別感のある演出があったら、「この会社で良かった」「これからもずっと続けたい」と思ってもらえるのではないでしょうか。
 商品力やコンセプトがしっかりしている化粧品であれば、丁寧な使い方指導、お手入れのモチベーションが上がるような工夫、おもてなし的なサービスの3点を徹底することで、定期離脱は減少するとともに、ファン化が促進されるのではないでしょうか。

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