「日本流通産業新聞」7月17日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために
基礎講座Q&A vol.116「Q.会員情報誌のアイデアが浮かびません」』が掲載されました!
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Q.会員情報誌のアイデアが浮かびません
お客さまに役立つ情報を提供するため、会員情報誌のリニューアルを検討していますが、なかなか面白く役に立つ内容が浮かびません。キャンペーンばかりのDMのようになってしまっては、読んでもらえないのは目に見えています。何かヒントをいただけたらありがたいです。
(中堅通販化粧品会社)
A.面白くなければ、通販ではない!
◆通販のスタート
冒頭から、今このタイトルを掲げることに、少しばかり躊躇(ちゅうちょ)しました。例の某TV局の最盛期のキャッチフレーズで、最近では諸悪の根源のように言われているからです。
実は、国内通販も総合通販としてスタートした草創期には、同じような合言葉で、面白く、楽しく、楽な買い物手段としてアピールされていたように記憶しています。
初期の頃は、ほとんどの会社が商品を並べて掲載しただけの「カタログ(冊子)」で販売していました。そのうち多くの商品を掲載した分厚いカタログを出す会社や、商品の解説が面白い会社等、いろいろなタイプのカタログが全盛の時代になりました。しかしそれでも、国内の通販チャネルで買い物をするお客さまは、10%にも達しませんでした。1990年代の頃です。
そのうちTV通販やラジオ通販が登場し、紙媒体だけでなく動画や音声で通販も大きな影響力を持つようになりました。
メディアが異なれば表現方法もバラエティーに富む演出ができるようになり、コンテンツの幅は広がったのです。
さらにその後、アッという間にインターネットの時代が到来します。Webの登場は、通販だけでなくすべてのコミュニケーション方法を大きく転換させました。今やWebなしではわれわれの生活は成り立ちません。
◆他のチャネルとの差
通販ビジネスは、この50年ほどの間に激変しました。
すべてのメディアが通販を扱い、コロナ禍以降はすべての小売業が通販機能を持っています。今や通販はわれわれの生活と切り離すことはできないビジネスモデルなのです。
しかしどんなにメディアが増えても、「通販でモノを売る」ということは、「対面販売にはできない付加価値」を出さなければ評価されません。「スピードが早い」「どんなに遠方でも届けられる」「多くの商品を比較できる」等の機能的なメリットはもちろんですが、それにプラスして不可欠なのは「通販だからこその面白さがある」こと。つまり求められるのは究極、「面白くなければ、通販ではない!」ということになります。
面白さとは、単にお届けするだけではなく、注文の時でも、商品が届いた時でも、なおかつ使い始めてからも、お客さまに「楽しく、面白い!」と感じてもらえる何かを提供しなければいけないということではないでしょうか。
◆お客さまのメリットは何か?
コンテンツのアイデアが思い浮かばないというご相談ですが、サービスは相手に対する「思いやり」が原点です。お客さまを喜ばせたい、元気にさせたい、楽しくさせたい、笑顔にさせたい等、どんな些細なことでも良いのです。自分の家族や親しい人にしてあげたいと思うことを、リストアップして、できることからお客さまにしてあげることが重要です。大切なのは、こちら側の都合で考えるのではなく、お客さまの立場になって、あるいは自分に置き換えて、やって欲しいことを考えることです。そう考えれば、商品開発もサービス内容もさまざまなアイデアが浮かぶはずです。一番に大切なのは、お客さまのメリットをナンバーワンに据え、深く思いを巡らせることなのです。
◆面白いコンテンツを用意
その上で、お客さまの表情を思い浮かべて、どんな提案をしたら喜んでくれるか、どんなお届けをしたら楽しんでくれるか。それを追求し続ければ良いのです。場合によっては、お客さまにヒアリングし、どんな方かを知ったうえで、喜んでもらうには何をしてあげれば良いかを想像する必要があるでしょう。
お客さまが「通販で買い物をしたら楽しかった」あるいは「通販で買い物をしたら面白かった」などの気持ちになっていただければ成功!次回も購入してくれるはずです。つまり「面白くなければ、通販ではない!」のです。