コラム
社員コラム2013.11.22(投稿日)
スキンケアにおける香りの価値

化粧品や日用品で「香り」のニーズがますます拡大している。

その牽引役となったのが、柔軟剤や洗剤といったファブリックケア商品。2000年代後半に花王、PG、ライオンなどの大手から香り系柔軟剤が発売されてから瞬く間にブームとなり、市場規模は拡大している。2013年上期は、柔軟剤のみは前年比2%増だが、残香性が5%増とまだまだ柔軟剤市場は伸長している。最近では、適量を超える柔軟剤使用に注意が呼びかけられたりと、ブームは過熱する一方だ。

 

化粧品にしても、ひと昔前は無香料が肌に優しいともてはやされた時期があった。

しかし、アロマテラピーの知識やオーガニックコスメが浸透してから、化粧品にも香りの占める価値が高まってきている。例えば、肌に保湿効果をもたらす「ゆず」や「ダマスクローズ」など、香りによるリラックス効果だけではなく、肌への効果効能を兼ね揃えている成分が人気だ。

また、大ヒットした香水「Chloe」のスキンケアライン「クロエ クレーム ドゥ ローズ」が、この春、世界に先駆けて日本で独占販売するなど、香水から化粧品が生まれる逆転現象も起きている。

このスキンケアラインも、抗酸化作用や鎮静作用などの美肌効果が期待できる希少な種類のローズを使用し、香りの癒し効果と美肌効果を両立させている。香水からソープやボディローションにラインナップを拡大することはあるが、香水からスキンケアラインが派生して日本で先行発売するのは、それだけ化粧品と香りの関係が密になり、日本でも香りの文化が成熟してきているのがうかがえる。

 

弊社では、通販化粧品会社様とお仕事をするなかで、現在課題になっている化粧品を一定期間試して使用感や効果実感のアンケートを取ることや、開発段階の商品のテスト試用を行うことがある。

このアンケートを集計する際にも香りの感想は重要項目だ。

「使用感はとても良いのに香りが安っぽく感じて残念」「爽やかな柑橘系の香りがしっとりする商品特長と合わない」「香りが若い印象で、年齢層にマッチしていない」などなど、商品が優秀でも、香りで印象が左右されてしまうことも多くみうけられる。

個人的な一般消費者としても、香りが好きでリピートしている化粧品や入浴剤がある。そうすると早く家に帰ってお手入するのが待ち遠しくなり、商品のファンになっていくのだなぁと実感している。

現在、通販化粧品は開発力や完成度が高く、競合他社と差別化するのはなかなか難しい。

「香り」という訴求点は、目に見えないので広告では伝わりづらいが、実際に使用して香りにも価値を見いだせればリピートのきっかけづくりになるのではないかと思う。

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