コラム
「日本流通産業新聞」7月4日号掲載2019.7.4(投稿日)
基礎講座Q&A vol.56 「Q.新規獲得効率を高めるには?」
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「日本流通産業新聞」7月4日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.56 「Q.新規獲得効率を高めるには?」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。

 

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Q.新規獲得効率を高めるには?

新規顧客獲得の効率が落ちています。どうしたら、かつてのような勢いを取り戻せるでしょうか。新規顧客獲得には、一時期の4~5倍の経費がかかっています。また、お試しセットから本商品への引き上げ率も下がっています。回復する決め手はないものでしょうか。(中堅化粧品会社)

 

A.一つのメディアで成功する時代は終わり

◆信用されなくなった通販媒体

今回もお客さまのグループインタビューで気が付いたことですが、最近のお客さまは「通販メディアを全く信用していない」ということです。
 2~3年前までは、50代、60代のシニア女性には、「まだまだ多くのお客さまが新聞折り込みやインフォマーシャルを見てくれている」と感じました。通販化粧品会社が送るリアル媒体も「信用してしっかり読んでくれている」と思えることもありました。
 ところが最近のお客さまは50代でも、スマホで購入します。その前に検索して、どの商品が一番良いか、徹底的に比較検討しています。支払いもスマホでクレジットです。スマホだけですべてが完結するのでとても便利だそうです。忙しい女性たちにとって、通販は頼もしい味方になっているようです。
 そこで検索の方法ですが、どんな情報でも見るというわけではないようです。メーカーのLPページは検索をスタートすればすぐに表示されるので、一応は目にするのでしょう。ただしそこで購入に進むわけではありません。メーカー側の情報はあまり信用せず、美容家のブログや、ランキングが表示されているサイトの口コミや広告ではないメディアを選んで見ています。また雑誌では比較検討できる記事や、自分と肌質や肌悩みが似ている人の口コミを選んで見ています。

◆個人SNSを信用する向き

 大手の検索サイトなどは「あまり信用しない」そうです。理由は「企業からお金をもらって書き込んでいるので、しょせんは『広告』。良いことしか書いていないので信用できない」と言います。それよりも、「広告的な記事を書いていない美容家や、モデルなどが個人的に実感を書いているインスタグラムなどは信用する」らしい。
 また「同じ時期にいろいろな商品を薦めている人は、仕事としていろいろな企業からお金をもらっているはずなので、本当の実感かどうか怪しい」ので、見ないようにしているとのことです。
 こんな回答が相次ぎ、とにかく少しでも企業側が、「広告」として展開しているものは、まったく信用していない状況です。特に通販目的の広告は、美容意識が高く情報接触が多い女性たちほど信用していないことがよく分かりました。
 現在、通販メディアからのCPO、CPRとも効率が落ちていることは、どこの会社でも実感していることだと思います。その理由が彼女たちの言葉に表れています。
 信用されていないメディアでモノを売ることほど難しいことはありません。そのため今後の通販は、ターゲット層に必ず届く「メディアミックス」を徹底する必要があります。

◆メディアミックス徹底を

 マーケティングの基本は、「誰に、何を、どのように売るか」なので、今後はそれを見据えて、さまざまな信用されるメディアに露出していかなければなりません。投網方式でお客さまを囲い込むのではなく、さまざまなメディアを通じた小さな出会いを大切にし、お客さまを育てていく以外にはありません。
 そのためこれまでのような通販メディアのみの展開を見直し、ターゲットとなるお客さまに確実に届くメディアを厳選して、広告だけではないさまざまな情報発信方法を見つけ、自社の商品内容に合ったお客さまを引き付けていく以外にないと思います。
 つまり、もはや通販という業態の特徴だけでは、購入してくれないのです。店舗での接点、人を介しての接点、他社のショッピングモールでの接点などを活用して新規獲得をしていかなければなりません。
 これまでのような、大型の通販メディアだけに頼っていては、なかなか新しいお客さまとの出会いは生まれないでしょう。「きれいにするための化粧品を売る」という原点に立ち返って販売方法を再度検討すべき時が来たのだと思います。
 利害関係のないお客さまが自主的に称賛してくれるような、広告ではない手法でファンを増やすことも不可欠です。つまり商品開発から新規顧客開発まで、単なるテクニックではない「本物を届ける本気度」が試されていると感じます。

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