「日本流通産業新聞」 11月3日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.86 「Q.社内の情報共有化をもっと進めたいが」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。
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Q. 社内組織が縦割りで、うまく情報共有ができていません。新規獲得チームとリピート育成チームの考え方もバラバラで連携が取れていません。どのような仕組みにすればもっと効率的に業務が進むようになるでしょうか。(中堅通販化粧品会社)
A.全員がお客の目線で考えられるように
◆データの共有を
部門を超えての情報共有がなかなかうまくいかないことは、多くの会社で見受けられます。特に通販化粧品会社の場合は、商品開発と販売促進、新規獲得とリピート育成など、本来、最も情報共有が不可欠な部門間で、なかなかうまくコントロールできていないことが多いようです。
そのような場合、最初にすべきは、販売データの共有をスピーディーにできるようにすることでしょう。販売データといっても、単純な売り上げデータではありません。日々蓄積される販売データを分析してマーケティングに活用できる分析後の情報のことです。通販の会社はデータ蓄積が毎日行われているので、そのデータから読み取れるお客さまの動向分析を、全部門で見られるようにしておくととても便利だと思います。販売データをもとにした基本の情報分析が共有できれば、部門別の課題も明確になり、効果的な情報共有のための基本がそろうことになります。
◆お客さまを知る
次に情報共有したいのはお客さま情報です。販売データだけでなく、日々お客さまから寄せられる要望、クレーム、ご意見、感想などをできるだけデータ化して、誰でも見られる状態にしておくことも必要です。
電話が多く使われている会社は、モニタリングシステムが完備され、誰でもお客さまの「お声」を聞くことができるようになっているようです。今日ではウェブでの問い合わせや書き込みもとても大切な情報なので、書き込みやすいフォーマットにすることはもちろん、内容は社員全員で共有できるようになっているとよいと思います。お客さまからの声は、クレームや要望だけではなく、お喜びの声なども幅広く集めて分類し、情報共有したいものです。そうすることで、社員全員がお客さまをより深く知ることができます。
◆顧客の立場で考える
販売データを知り、お客さまの声を知れば、お客さまの立場でさまざまなことを考えられるようになります。
なぜこういう声が集まったのか、なぜこの製品が売れないのかなど、さまざまなことをお客さまの気持ちで考えることができるようになります。これは大切なことで、「お客さま」という共通のターゲットに向けて目的が明確になるので、社内の部門間の情報共有ももっと進むことになるでしょう。
情報を受け取るお客さまは一人一人なので、社内がバラバラでは、結局連携が取れていないアプローチを受けるお客さまにご迷惑をかけることになると気が付くはずです。お客さまのさまざまな要望に寄り添うためには、社内の情報共有を円滑にする以外にありません。部門を乗り越えてそれに気付いてもらうことが必要です。
◆ミニ会議を多くする!
お客さまの情報共有の次は、企画内容の情報共有です。企画立案の仕組みは各社ともまちまちだと思いますが、私がお勧めしたいのは、部門を超えた「ミニ会議」をひんぱんに開くことです。
どの会社でも部門内の企画会議はひんぱんに開いていると思いますが、部門を超えたスタッフとも、小さなアイデア会議をできるようにしたいものです。机の片隅で、あるいはお茶タイムを利用して……重々しい企画会議ではなく、いわば部門を超えた、良い意味でのグチを含めた「本音の言い合い」をすれば課題が明確になります。形式にとらわれず、スピーディーに軽い情報共有ができる、そんな「ミニ雑談会議」をすれば、部門の異なる相手の立場も理解しやすくなります。
◆コミュニケーション力とは
これから企業とお客さまはますます円滑なコミュニケーションが必要になります。お客さまのファン化が課題になっている今日では、お客さまとの双方向のコミュニケーションが不可欠で、それがスムーズに行えれば、多くのロイヤルユーザーを育成することができるでしょう。
そのためにはまず、社内のコミュニケーションを円滑にして、お客さまにも受け入れられやすいコミュニケーション力を養う必要があると思います。社内がバラバラでは、お客さまに響くコミュニケーションなどできないはずです。「コミュニケーションは、まず社内から」ではないでしょうか。