コラム
「日本流通産業新聞」2月11日号掲載2021.2.11(投稿日)
基礎講座Q&A vol.69 「Q.通販化粧品ブランドとしてやっておくべきことは?」

「日本流通産業新聞」 2月11日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.69 「Q.通販化粧品ブランドとしてやっておくべきことは?」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

Q.通販化粧品ブランドとしてやっておくべきことは?

アフターコロナに生き残るブランドの条件は、どんなことが考えられますか。これからも「通販化粧品」という業態のみで大丈夫でしょうか。また、今後のために、中堅企業ができる範囲と規模で、どんな準備をしておくべきなのか。アフターコロナに再び成長するブランドになるためのヒントがほしいです。(中堅の通販化粧品会社)

 

A.ブランドを磨いてコロナ後の準備を

◆全社員で「カイゼン」へ

 アフターコロナ時代に生き残るためには、まず今のビジネスをしっかり守る必要があります。業態に差はあっても、現在のコロナ禍を生き抜くためには、これまでの収益構造を維持し、強い企業体質を作っておく必要があります。
 アフターコロナ時代は、しなやかで強い体質の会社しか生き残れないでしょう。そのため即変化に対応できる、強さと賢さが必要になってくると思います。
 強い体質を作るためには、これまで課題だと思いつつも先延ばししていたこと、目をつぶっていたことを総ざらいして適切な解決策を講じていくことです。つまりは、あらゆる場面で日常の業務を「カイゼン」していくことです。
 これは経営者層だけの話ではありません。現場の社員も巻き込んで、全社員で業務の「改革・改善」をして体質強化をしておかないと、アフターコロナ時代に対応できないでしょう。

◆業態に固執せず新手法も

 一方で、店頭販売のブランドはコロナ禍にあっても販売活動が滞ることがないように、非接触型の販売手法を取り入れ始めています。そして新たなサービスの仕組みを構築し始めています。
 世界中にワクチンが配布され、今回のコロナ禍が解消されても、人々の生活は完全に元に戻ることはないでしょう。
 「ニューノーマル」時代になると、今回開発されたサービスも引き続き継続していくと考えられます。いわば対面販売と非接触型のサービスが同じブランドの中で共存し、お客さまの都合によってサービスが選ばれるようになるでしょう。
 通信販売はその逆で、「試したい」「触ってみたい」ニーズに応えるために、ショールーム的な機能を持つ店舗も必要になります。最近の購買行動として、店頭販売を入り口に通販購入へ移行したお客さまのLTVは、通販メディアが入り口のお客さまよりも高くなっているデータもあります。
 つまり、これからはフル装備でお客さまに向き合わないと、アクセスの機会すら減ってしまうことになってしまいます。通信販売でも、「通販だけ」という業態に固執するのではなく、何か新しい手法を取り入れてほしいものです。

◆価値ある物だけ生き残る

 この二つを実施したら、次は現在のビジネスの「棚卸し」をすることでしょう。他社との差別化ポイントを明確にして、自社のブランド価値を磨き上げることです。アフターコロナの時代は、本当に価値のある商品しか生き残れないと思います。何しろ消費者たちは、これまで消費していた商品は、実はなくてもそんなに困らないことを知ってしまったのです。
 一方で本当に大事なもの、自分に不可欠なものは、どうしても手に入れたいと思うはずです。つまりお客さまに「選ばれるブランドになる」ことが、とても大切な時代になると予測されます。そのためにはブランドの目的やコンセプトを再度磨き上げて、価値を上げる必要があります。

◆意識統一でブランド構築

 ブランド価値を高めるためには、ファンの仲間を作ることです。お客さまだけではありません。例えば身近な社員や関係者などステークホルダーたちも仲間です。そのような関係者全員の意識を一致させる「インナーブランディング」こそ、最も重要です。
 関わるスタッフの意識や目的を統一することによって、常に複数の目で、「アイデアを探す」「役に立つことを見つける」などの行為が、ブランドの価値をさらに高めることになります。今日のブランディングは、1人のカリスマがつくり上げるものではありません。スタッフ全員が、あるいはお客さまも巻き込んだ「参加型」の仕組みを作ることこそ、強いブランディングの条件です。
 そうすれば、お客さまの中にもファンが生まれ、エバンジェリストが生まれて、強い絆の輪が広がっていくことでしょう。

このページの上へ