コラム
「週刊粧業新聞」1月14日号掲載2019.1.14(投稿日)
第44回「化粧品開発ほどイノベーションを」
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「週刊粧業新聞」 1月14日号に、代表取締役 鯉渕の『激変するコスメマーケット 第44回 化粧品開発ほどイノベーションを』が掲載されました!

 

本文は、下記の通り。 

 

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『激変するコスメマーケット』

第44回 化粧品開発ほどイノベーションを

 

弊社はお客様のグループインタビューを頻繁に実施している。そのため時々お客様からびっくりするようなご提案をいただくことがある。たとえば「育毛剤とカラーリングが1つでできる商品はできないか」「顔にも体にも使える保湿効果が高く、しかも安価なソープはできないか」「マッサージしなくてもよいマッサージ効果のある美容クリームが欲しい」等々。確かにそういう商品があれば(すでにどこかには存在しているのかも知れないが)、消費者目線で便利だと思うし、個人的にも使ってみたい。

 ところが同席しているメーカーの商品開発担当者は、大抵否定的になってしまう。「原料は? 剤形は? 容器は? 使い勝手は? 」など、様々な開発工程をイメージすると、そのものズバリを実現する困難さが分かってしまうために、つい「難しい」という言葉が、先に出てきてしまうようだ。また日常業務の多忙さを考えると、気軽に「やってみよう」とはいえないのかも知れない。

 しかしそれでは新しい商品を生み出すイノベーションは起こせないのではないか? お客様は何もそのものズバリを欲しい訳ではなく、もっと便利、もっと手軽、もっと効果的なものを欲しがっているのだから、ご提案された通りでなくとも要望の真意を理解すれば、何か開発の糸口を見つけることができるのではないかと思う。

 現在の化粧品ビジネスを牽引している各社の創業者の方々は、製品についても、販売手法についても、サービスについても、「それまでの業界には無かったもの」に挑戦し、生み出して、今では当然のように世の中に定着させている。そもそも「モノが無かった時代」は、競合状態も今ほど熾烈ではなかったはずなので、単純に現在と当時と比較してもナンセンスかも知れない。しかしそのチャレンジ精神にこそ、見習うべきものがあるのではないかと思う。

さらにさかのぼって化粧品開発の歴史を振り返って見ても、それまでには存在しなかった商品を世に出すことが原点になっている。おしろいからファンデーション、BBクリームへの進化や、化粧水・クリームから多機能美容液、導入化粧水への変遷など、化粧品開発はお客様のニーズと開発者の「こうなったら便利だ」という小さな気づきからスタートとしている。そんなチャレンジ精神が無ければ、新しいものは生み出せない。つまり化粧品開発は「改善・改革」の歴史とも言えよう。

「カイゼン」の本家トヨタ自動車の「トヨタウェイ」を読むと、改革することが『文化』として広く社内に定着していることがよく分かる。同じように論じることはできないかも知れないが、化粧品開発にも「カイゼン」のチャレンジ精神は残して欲しいものだ。

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