コラム
「日本流通産業新聞」11月19日号掲載2020.11.19(投稿日)
基礎講座Q&A vol.67 「Q.アフターコロナを見越して対策を講じたい。」

「日本流通産業新聞」 11月19日号に、代表取締役 鯉渕の『強い通販化粧品会社になるために 基礎講座Q&A vol.67 「Q.アフターコロナを見越して対策を講じたい。」』が掲載されました! 本文は、下記の通り。

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Q.アフターコロナを見越して対策を講じたい。

コロナ禍の現在、何をしても売り上げを大きく伸ばすことは不可能です。

だとすれば今の時期になにをしておくべきか、復活するときにどのような体質のブランドになるべきかを見越して、今やっておくべきことをアドバイスしてください。(中堅の通販化粧品会社)

A.コロナ後の復活へ、弱点克服に動く時

 コロナ禍において消費者の買い物行動が制限されるため、一見すると無駄と思えるもの、それほど関心がないものの消費が抑えられ、生活に必要不可欠なものと、ファンとしてどうしても欲しい必要度の高いもの以外は売れなくなっています。
 そのため各社とも、コロナ禍の前から弱みや課題ではあったが、「先送り」して解決策を講じていなかった問題点が、より鮮明に顕在化しているように見えます。つまりコロナ禍で「弱点」が露呈しているのです。
 その弱点を正直に認め、この時期だからこそ「ピンチをチャンスに」の発想で、解決に向けて動き出す会社は、アフターコロナで強い復活を果たすことになると思います。
 そのため当社では今の時期に「弱点を棚卸して、強い会社になってもらうべき対応策を提案」したいと考えています。

◆弱点を棚卸する

 例えば、徹底した数字分析をあまり行ってこなかった会社の場合、これまでの売上管理表とともにさまざまな視点でRFM表などを出して、数字から現状の弱点を洗い出す作業をしましょう。単なる販売データだけではなく、商品開発に結び付くようなデータ分析まで行うことが重要です。
 また、社内の部門ごとのコミュニケーションがあまり円滑ではなく、目的を共有できていない場合は、全社員アンケートと全社員参加のブレインストーミングを、繰り返し実施して問題点を抽出し、社員の問題意識と目指すべき方向性をまとめて、全員の目的を一本化させることが必要です。

◆今こそ美容教育を

 店頭販売に比較して、美容教育が不足している通販化粧品会社は、今こそ美容教育に力を注ぐべきです。今後、通販化粧品会社でも「カウンセリング」ができない会社は、お客さまに支持されなくなるでしょう。コロナ禍のもとでウェブ接客などが高い人気が出たことを振り返ればよく分かりますが、お客さまは販売員のアドバイスを求めているのです。
 そのため、販売員(カスタマー対応のスタッフ)には、ブランドとして統一された美容マニュアル(紙、ウェブ、動画を合わせて用意)などを整備し、美容メソッドを明確に教育するべきです。コロナ禍の時期を利用して、全社員の美容教育を徹底しましょう。

◆ファン組織を作る

 徹底的にお客さまの声を吸い上げる仕組みができていない会社は、お客さまとのウェブミーティングなどを駆使して、グループインタビューや座談会、モニター会など、お客さま参加型企画をもっと多くしましょう。
 通信販売ではどうしてもお客さまとの関係が希薄になりがちなので、意識してお客さまとの接点を多くしないと、熱いファンは育成できません。気が付いたときには、ライトユーザーの大集団だったというブランドもあります。
 CRMの設計を徹底させて、ロイヤルユーザーは会報誌(紙、ウェブなど)でさまざまな企画を実施し、ファンコミュニティーを作りましょう。
 お客さま同士の「美容の井戸端会議」のようなものを作ることができれば、ファン作りは成功します。
 そのようなファン組織を通じて、お客さまのインサイトに迫っていけば、お客さまのリアルな声を多く聞くことができます。しかもそれはロイヤルカスタマーの声なので、大変貴重な情報になります。
 またファンが増えれば、新規顧客開発も容易になります。お客さま同士のやり取りもSNS上で展開されるようになり、場合によってはお客さま同士が、使い方など情報交換をしてくれるでしょう。それが拡散すれば、自然にブランドのユーザー体験が広まり、ロイヤルティーが高まります。またさまざまなコンテンツも生まれてきます。
 このようにコロナ禍でもやるべきことはたくさんあります。アフターコロナを目指して、将来のブランド価値を高める活動をしておくことが、今こそ重要だと思います。

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